お知らせ リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ 3月 11, 2025 3月13日より配信方法を一部変更します。今後は月と木に、まとめて配信します。月曜は従来通りの「老子」と「丹道逍遥」が隔週となります。木曜はこれまでと同じ「道徳武芸研究」です。 リンクを取得 Facebook × Pinterest メール 他のアプリ
道徳武芸研究 「合気」の実戦的展開について〜その矛盾と止揚〜(3) 11月 02, 2024 道徳武芸研究 「合気」の実戦的展開について〜その矛盾と止揚〜(3) 一般的に合気道は「剣の間合い」と教えられるが、これは四方投げなどを見ればよく分かる。四方投げは剣を構えている時に両手を抑えられた時の技で、先ずは右足を引いて身体を開き、相手の足を裏から斬る。これで腕を離してくれれば良いが、執拗に離さない時にはそのまま転身をして投げるわけである。これを単に柔術的な技として捉えると、わざわざ転身をする意味が見いだせない。通常の柔術であれば、これは「腕搦(うでから)め」とされるもので、相手の腕を折りたたんで後ろに投げれば良いだけのことである。そうであるのにあえて危険の大きい転身(同時に転身をされると技が掛からなかったり、背の高い相手に強く引かれると体勢を崩される等の危険がある)をする必要性はないわけである。つまり剣術の裏技としての柔術とは攻撃技ではなく、相手の攻撃から離脱することを第一としているのである。つまり「合気」と「攻撃」は構造的に相容れないものなのであったのである。 続きを読む
道徳武芸研究 両儀之術と八卦腿〜劉雲樵の「八卦拳」理解〜(2) 12月 20, 2024 道徳武芸研究 両儀之術と八卦腿〜劉雲樵の「八卦拳」理解〜(2) 前回では劉雲樵の八卦「拳」から八卦「掌」の変更において基本の構えである「推掌」が「倚馬問路」とされたことに触れたが、ここでは両儀之術を八卦腿(四象拳)として教えていたことに関して論じてみたいと考えている。武壇の八卦掌の体系から類推すると劉雲樵が宮宝田から学んだのは円周上を歩くものとしては換掌四式、下穿掌、それに直線套路としては両儀之術、八掌拳、羅漢拳(砲捶)であったように思われる。この中で換掌四式は「小開門」となり、それが走推掌と組み合わされたのが「両儀開門掌」である。円周を反転する動きである下穿掌は八卦六十四掌に取り入れられている。また内修八掌は八卦拳の八母掌とほぼ同じ形とする人も居れば、武壇の八卦六十四掌と同じとする人も居る。つまり内修八掌と八卦六十四掌を同じとしている系統と異なるとしている系統があるわけである。八卦六十四掌は単換掌、双換掌で始まるなど全く八卦拳とは異なるもので、基本の動きは陳ハン嶺が台湾に伝えた龍形八卦掌とほぼ同じである。また八卦拳の八掌拳は「八卦硬掌」と称されている。システム上、八掌拳は八母掌と羅漢拳を融合させる役割を有しているのであるが、武壇ではそうしたものとはなっていないようで八卦腿(四象拳)から八卦硬掌、(武壇の)「八卦拳」へとつながる流れの上に位置している(武壇の「八卦拳」は八卦拳の羅漢拳とほぼ同じ動きである)。 続きを読む
道徳武芸研究 八卦拳から合気道を考える〜単双換掌と表裏〜(4) 6月 23, 2024 道徳武芸研究 八卦拳から合気道を考える〜単双換掌と表裏〜(4) こうした「表」と「裏」の入身は、形意拳では五行拳と十二形拳として区別されている。もともと形意拳は三体式から派生したとされるが、これは右の手で相手の構えを崩して、左の掌で攻撃をするもの(その反対もある)で、これは全く八卦拳の挑打(単換掌式)と同じである。こうした五行拳を基本として、応用として十二形拳では「裏」である相手の攻撃を右で受けて、さらに左で横に送って入身をして、攻撃をする、というパターンが出来た。形意拳をある程度、学んでいて実戦で失敗するのは、形意拳の入身をよく体得できていない場合である。そうなると形意拳は動きが単純なので、相手にうまく間合いをとられてしまう。また八極拳の六大開は「表」であり、八大招は「裏」とすることができるが、八極拳においても、伝承者によって実際の動き(技)には異同がある。それは、ここに述べたように、それらが依拠しているのが「単換掌式」や「双換掌式」のような理論であること、またそうした理論がよく理解されていないことに原因しているようである。練習と理論の二つが完備されなければ適切に武術の稽古を積み上げて行くことはできない。 続きを読む