道徳武芸研究 一霊四魂と三元八力〜合気道と古神道〜(6)

 道徳武芸研究 一霊四魂と三元八力〜合気道と古神道〜(6)

前回、宇比地邇の神、須比智邇の神など八神について解説した。そしてそれらの神々が「国」の発生を説くものであることを述べた。そうなると八神と八力は全く関係がないように思えるが、垂加神道ではここに土金の伝のあることを示している。土金の伝とはこの八神のところで表されているのは五行でいう「土が金になる」働きであって、それは「土が締まる」過程をいうものであり、ここに「敬(つつしみ)」の徳が発生したと考えるのである。特に阿夜訶志古泥の神などでは「畏(かしこ)」さが生まれたことが示されtおり、これが実は「敬」のことであると考えるわけである。植芝盛平の岩間の部屋には垂加神道の本があったので、盛平がこうした考え方の影響を受けていたと見ることもできよう。つまりこの八神からは「締まる」働き「引力」の働きをうかがうことができるということである。そして、これら八神に続いて生まれるのが伊邪那岐の神(いざなぎのかみ)と伊邪那美の神(いざなみのかみ)である。これも男女神であるから対照力が働いていることになる。三元は伊邪那岐の神と伊邪那美の神が生んだ天照大神、月読の命(つくよみのみこと)、建速須佐之男の命(たけはやすさのおのみこと)で、これは八力の核となっている。


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