道徳武芸研究 「合気」の実戦的展開について〜その矛盾と止揚〜(14)

 道徳武芸研究 「合気」の実戦的展開について〜その矛盾と止揚〜(14)

「柔術」「合気柔術」「合気之術」の段階において合気道は「合気柔術」のレベルにあると言える。大東流も「合気柔術」のカテゴリーに入れることができるが、合気道に比べればやや「柔術」寄りであるとしなければならない。一方、合気道はやや「合気之術」に近いと言えよう。また大東流でも武田時宗などは「柔術」的な志向が強く、堀川幸道は「合気之術」的な展開をしていた。格闘術としての側面を強くしようとすると「柔術」に近くなるわけであるし、合気の理念的な側面を強調しようとすると「合気之術」的な展開が模索されざるを得ない。こうした場合に格闘術としては必ずしも実質的には有効ではない「合気」が、高度な技であるためには、それが指導者しか使えないものとならねばならなくなる。つまり検証することのできないものとしなければ高度な実戦性を有する「合気」は存在し得なくなってしまうわけである。


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