道徳武芸研究 八卦拳と「輪」(3)

 道徳武芸研究 八卦拳と「輪」(3)

八卦拳において身体を八卦に細分化させるのは前回に触れた両儀が上半身と下半身、そして四象は上半身を「頭」と「肩」に分け、下半身を「腹」と「腰」に分ける。そして八卦では、これに手足が加わって「掌」「肘」、そして「膝」「脚」となる。つまり手足は上半身、下半身の一部とみなすわけである。こうして身体を細分化させるのは、それぞれにネジリを加えるためである。始めは上半身と下半身にネジリを加えて、横向きの構えを取り、次いで「頭」と「肩」「腹」「腰」にネジリを加えることで身体はやや傾くことになる。これにより歩を進める勢いが得られる。さらに「膝」「脚」にネジリを加えることで、内夾勁を得て扣歩、擺歩が可能となる。また掌や肘にネジリを加えれば八母掌への変化が得られる。これが「ネイ(手偏に寧)身」であり「龍身」でもある。これを練習の段階でいうならば両儀は静態、八卦は動態で、四象は静態から動態への変化となる。


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