道徳武芸研究 八卦拳と「輪」(1)

 道徳武芸研究 八卦拳と「輪」(1)

かつて雑誌「武術(うーしゅ)」に蘇昱彰が八卦掌を紹介した時、身体に五つの「輪」があることを示唆していたように記憶している。改めて雑誌を見直せば良いのであるが、今回はそれについて述べることを目的としているわけではないので確認はしていない。あるいは、蘇昱彰の説明は、宮宝田から劉雲樵を通して伝えられた八卦拳の教えであるとも考えられる、ということを指摘しておくまでである。ただその説明では頭、肩、腹、腰のあたりに「輪」が示されていて、もう一つの「輪」については明かされていなかったように思う。これを八卦拳の見地からいうなら「膝」とすることができる。こうした「輪」の考え方は、八卦拳の身体観をいう時にはよく用いられる概念であって、「輪」はネジリを意味している。


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