道徳武芸研究 「御信用之手」と「御式内」そして「引進落空」(3)

 道徳武芸研究 「御信用之手」と「御式内」そして「引進落空」(3)

「御信用之手」の実態は「合気上げ」と考えらえれるので、これが刀を抜けないという緊急事態に際して自分を救ってくれる「護身用之手」であるとすることは首肯できようが、「御式内」は「殿中での武術」という意味合いとはされるものの「御式内」という語からは、そうした意味を汲み取ることはできない。これは大東流が会津藩の一部の高位の武士の間だけで伝承されて来たものとする「伝説」を前提とした解釈に過ぎない。大東流が会津藩で伝承されていたことは史料を通しても明らかにすることはできない。ために「一部の」「高位の」といった限定を付けることでなんとか会津藩での伝承があったことにしようとしているだけである。ただひとつ明らかなことは「御式内」が大東流を指していると思われる点である。


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