道徳武芸研究 なぜ形は実戦に使えないのか(6)

 道徳武芸研究 なぜ形は実戦に使えないのか(6)

形の練習に疑問が持たれるのは、形がそのままでは使えないことにあることは既に説明した。それに就いては古くから「守破離」の教えがある。初めは形を学ぶ時期なので、それをよく「守」って形通りを練習する。それに熟達したら応用を考えて、形の動きを「破」ることになる。そして元の形を忘れて形から「離」れてしまうレベルに入らなければならないというわけである。これは基礎体力をつける基礎功から、それを武術的な動きで行う基本功、そしてさらに精妙な攻防を学ぶ套路(形)、相手との間合いなどを学ぶ対打、自由に撃ち合う散手といろいろな方法を加えることで形から最終的に離れることを目指すことを教えている。語学でいえば例文、例題から実際の会話を練習することで例文、例題を忘れて語彙、文法、表現技法などを自由に使うことができるようになるプロセスである。ただ武術で問題となるのは「実際の会話」は普通はできないことである。


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