道徳武芸研究 武田惣角から学ぶ「合気」のトリセツ(2)

 道徳武芸研究 武田惣角から学ぶ「合気」のトリセツ(2)

小さな特別な価値を共有する集団は悪く言えば「カルト」であるが、好く言えば「クラブ」と称することができよう。欧米では趣味志向を同じくする人が集まって忌憚なく自分の考えを述べることのできる「クラブ」の伝統がある。それは文学であったり、政治であったり、芸術であったり、いろいろな分野に及ぶが、そうした「心地の良い空間」を持つことがよりよく生きて行く上での生活の知恵でもあったわけである。ちなみにフリーメーソンなども、そうしたクラブのひとつで主として政治思想(王政ではない近代国家的な政治思想)が語られることが多かった。また今日ではこうした「クラブ」的な存在はサードスペースとして家庭、仕事場以外の息抜きの場所を確保することが重要とされる。こうした「カルト」や「クラブ」的な場所を持つことがなかったのが武田惣角で、巡回指導を中心としていたことはよく知られている。また指導するに当たって人選を厳しく行っていたようでもある。これは常識的に学べる人、合気に掛かりやすい人を選んでいたと思われる。


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