道徳武芸研究 太極拳における「暗腿」(1)
道徳武芸研究 太極拳における「暗腿」(1)
かつて董英傑は南方へ太極拳を教授に赴く際、李香遠より太極拳の実戦秘伝を教えられたという。それは足を高く挙げて練る方法であった。この秘伝は楊澄甫から呂殿臣を経て王子和によって台湾へと伝えられた。一方、董英傑の伝は香港へと流伝している。結果として太極拳は南方へも広まり、それにより大陸赤化の後に太極拳の真伝が台湾や香港で伝えられることとなったわけである。李香遠の教えは確かに董英傑や王子和、その弟子の鄧時海などに見ることが可能であるが、その他の多くの太極拳ではそうした身法を伺うことは困難である。それはこの実戦秘伝が董英傑や呂殿臣のみによく受け継がれた為なのであろうか。他にそうした教えは残されていないのであろうか。