道徳武芸研究 ピラミッドパワーと形意三才式(7)
道徳武芸研究 ピラミッドパワーと形意三才式(7)
あらゆる動きが三才式によって統合される、これが形意拳のたどり着いた答えであった。これにより形意拳では、直線的な動きとは全く反対の曲線的な動きをする八卦掌をそのシステムの中に統合することが可能となったのである。これは地である□と、天である○が、人である△において統合されるものでもあった。そこでこうした練法を三才式と称したわけである。実は○と□あるいは△の統合は古今東西の神秘学の課題であった直線と曲線といった相反するものを統合し得るところに何らかの隠された「英知」があるのではないかと考えたわけである。これを統合する方途は形意拳の「虚」だけではなく、実は八卦掌のもとになった八卦拳でも有されていた。それは「分割」である。両儀から四象、八卦、六十四卦と体を分割して行くことで、あらゆる動きをいうならば点の集合と捉えるのである。確かに点を連ねていけば円でも直線でも等しく描くことができる。