道徳武芸研究 九華派八卦掌 坤卦解(8)

 道徳武芸研究 九華派八卦掌 坤卦解(8)

「柔順利貞」の「柔」は乾卦で説かれた「心」の自由さであり、「順」はそれによって可能となる「体」の動きのことである。それは「貞(ただしい)」動きであり、そうであるからこそ「利」が得られるとするのが「貞(ただ)しきに利あり」である。坤卦では規格化、定石化ともいうべき動きのパターンを学んで力を集中させることを習うことの重要性を教えると共に、先の乾卦にあった心の自由さがそれに加わらなければ、いたずらに「戦」へと導かれてしまうことになることをも警告している。以上が乾坤たる先天の両儀の大原則となる。最後に八卦の解説をまとめておけば、八卦は八つの卦をそのままに並べても意味が分からない。確かに先天八卦、後天八卦とする図もあるが、それらはいずれも八卦をそのまま並べているだけに過ぎない。以下に示したように乾坤と坎離はひとつの軸にあるように示されないと八卦の図の意味がないように思われる。ちなみにこの上半分の兌、離、巽はいずれも二陽一陰で、兌や巽は「離」の変化となっている。下半分の震、艮、坤は「一陽二陰」で「坎」の変化である。またこれはそのまま太極双魚図そのものであり、双魚図にある黒い目の魚は「二陽一陰」、白い目は「一陽二陰」を表している。

       


          乾(陽陽陽)先天の両儀

          離(陽陰陽)後天の両儀

巽(陽陽陰)                   兌(陽陽陰)  

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艮(陽陰陰)                   震(陽陰陰)                    坎(陰陽陰)後天の両儀

          坤(陰陰陰)先天の両儀  


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