外伝10孫禄堂の「道芸」研究(21)
外伝10孫禄堂の「道芸」研究(21)
鬆開勁(抱虎推山学)
鬆開勁は腰の勁であるとする。またトウ住勁(トウは榻の木偏ではなく土偏の字。沈めるの意がある)とも称される。腰によけいな力を入れないで寛やかにして沈めるということである。ここで重要なことは全身の協調である。周身内外の気と勁がひとつになって動いていなければならない。楊家ではこの両掌で推す動作は如封似閉へ含めている。ラン雀尾の按も同様であるが、楊家では両掌で推す動作は按や如封似閉に付随するもので必ずしも推すことを重視することはない(按は下に抑える動き)。鬆開勁を用いるのは、形は止まるものの「意」は止まることのないことを実現させることで、そのためには腰に溜めを作らなければならない。この溜めは腰が沈むような感覚を得ることで習得できる。