外伝10孫禄堂の「道芸」研究(44)

 外伝10孫禄堂の「道芸」研究(44)

如按気球(下歩跨虎学)

孫家では両手で上から抑える形となる。これは上歩七星を「合」として退歩跨虎を「開」とする楊家などとは大きく違っている(孫家では「開」の動きではない)。「気球を按(お)すが如く」とは気は沈めつつも上へと向かう勢が足を上げることで生じることになる。この勢は片足をあげることで明らかにされている。ここで押す気球は大気球であるとされ、ために「鼓起」の勢が得られるとする。太極拳には「神は内斂、気は鼓騰」の拳訣がある。心は鎮まり、気は活性化するということである。そうであるから「如按気球」の拳訣は太極拳のすべてに通じるものであり、これにより「神は内斂、気は鼓騰」が得られることになる。孫家の「如按気球」は蹴りへの変化を行うための拳訣である。


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