外伝10孫禄堂の「道芸」研究(38)

 外伝10孫禄堂の「道芸」研究(38)

一気串成(玉女穿梭学)

孫家の玉女穿梭は三通背などと同じ上段の構えをして前に進むことを繰り返す。孫家の特徴としては「前推去之(前に推しこれ去〈い〉く)が『太極拳学』に記されている。この後ろ足を寄せる歩法は形意拳の跟歩と称されるもので、跟歩には明勁、暗勁、化勁の三つの変化がある。明勁は定歩とされ、後ろ足を寄せないので一般的には跟歩とはいわないが、後ろ足を寄せようとして未だ寄せていないという未発の状態にあることを忘れてはならない。暗勁の跟歩がよく知られているもので、後ろ足を寄せた時に床を踏む音が出る。化勁は後ろ足を更に寄せて音を発しない。これらは明、暗、化の純で変化の多様性が増すことになる。一方で力の集中は明が最も容易である。


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