外伝10孫禄堂の「道芸」研究(34)
外伝10孫禄堂の「道芸」研究(34)
均要一気(践歩打捶学)
孫家の践歩打捶学は進歩搬ラン捶の入り方と同じで「捶」の部分が異なるだけである(搬ラン捶は中段の突き、打捶は下段の突き)。武家ではこのあたりはひじょうに激しい動きをする。これは陳家の動きとも違っている。楊露禅の「用法架」の特徴を残していると見ることができるのかもしれない。それはともかく転身テキ脚から打捶まで一気に行う「勢」は楊家でも変わりはない。孫禄堂は特にここで「均」ということを重視するように注意を促している。武家のような派手な動作では「均」がおおきく崩れてしまう。また「均」は太極拳のすべてに通じる拳訣でもある。「均」であるから「綿綿不断」が保たれるのであって、それが崩れると容易に「剛」へと転じてしまう。