外伝10孫禄堂の「道芸」研究(32)

 外伝10孫禄堂の「道芸」研究(32)

抱一大圏(高探馬学)

孫家では両掌を合わせて上下、左右と回転させる。この両掌で作られる円を「一大圏」とする。こうした合手は孫家では多様されるし特徴的ということができるであろうが、動きの勢からすれば形意拳十二形拳のダ形拳とほぼ同じで、両手で気のボールを抱えている感じとなる。孫禄堂は太極拳を皮のボール、形意拳を鉄のボール、八卦拳を鉄糸のボールと形容した。「皮のボール」とは柔らかで弾力に満ちており、押しても中心を捉えることが難しい。まさに太極拳はそうしたものである。一方で形意拳は五行拳では体の中心軸を安定させて、相手の攻撃力を跳ね返す(もちろん技法を用いるのであって、まともに跳ね返すのではない)ので鉄球のようであるが、十二形拳ではダ形拳のように太極拳に近い動きをするものも含まれている。


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