外伝10孫禄堂の「道芸」研究(30)
外伝10孫禄堂の「道芸」研究(30)
節節相串(三通背学5)
腰に置いた両拳を前方から一回転させて再び腰にとる。この時、前に進むために左右の足は逆になる。これも蓄勁の体勢である。前に出る歩法、回転する腕の動き、そうしたものが間断なく協調していなけれならず、それを「節節相串」とする。ちなみに「節」とは梢節、中節、根節のことで、それぞれ手、腕、体幹をいう。これらが協調して動いていなければならないのである。こうした全身の「部分=節」が協調した動きにはゆっくりであっても勢が生まれる。ためにこの動作を「一気串成」ともいう。太極拳が実戦に使えるようになるか否かの分かれ目はここにある。「節節相串」でいうならば合理的な心身の使い方をゆっくりと習得するわけである。どのようなスポーツでも始めはゆっくりと動いて「正確な動き」を学ぶが、太極拳ではその求められる正確さが限りなく高度であるために常にゆっくりと動く練習をしている。