外伝10孫禄堂の「道芸」研究(19)
外伝10孫禄堂の「道芸」研究(19)
身式中正、意気和平(進歩ハンラン捶学)下
中段突き(太極拳ではハンラン捶、形意拳では崩拳)の交差法について形意拳では「傍若無人」の拳訣がある。これは相手を意識しないということで自らは「こう打とう」とか「こう受けよう」と思わないでただ「意気和平」であり続けるのである。また「身式中正」で、こちらから意図をもって相手の動きに対することはない。こうした心身の状態のベースになるものとして孫禄堂は「精神貫注」の拳訣をあげている。これは肉体(精)と意識(神)が一貫して乱れることがないということで、どのような攻防においてもこうした心身の状態が保たれるようにしなければならない。そのためには力を込めて意図的な突きをする「硬垂勁」をけっして用いてはならない。