外伝10孫禄堂の「道芸」研究(16)

 外伝10孫禄堂の「道芸」研究(16)

周身無虧(ロウ膝ヨウ歩学)

周身無虧とは全身において欠けることがない、ということである。これは「円満」を用いることにおいて果たされる。いわゆる「円」の動きを連続させることで断絶の無い動きを行うわけである。「円満」については「円満虚空」の教えも『太極拳学』には記されている。そして「虚空」は「腹内鬆開」のことであるとする。つまり気が下丹田に鎮まることで、自ずから途切れる(虧)ことの無い「円」の動きが得られるわけである。つまり「円」の動きが欠けるのは、動きに「勢」がないためである。「勢」の余韻があることで「円」の動きが連続して行えるようになるのである。


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