外伝10孫禄堂の「道芸」研究(6)
外伝10孫禄堂の「道芸」研究(6)
武禹襄は楊露禅から用法架を学んだのであるが、もともと武術に興味があったため「教えてもらっていない套路がある」と思ってか、露禅が学んだ陳家溝へと独自に赴くのであるが、武家には全く陳家「太極拳」の影響を認めることはできない。これは思うに陳家溝で「楊露禅の学んだ太極拳と陳家の『太極拳』は別物である」ことを知り、さらには陳家の「太極拳」を見て、露禅の伝えたものの方が優れているとの認識を持ったためと思われる。本来、陳家溝には陳家砲捶が存していたが、これは通背拳から派生して成立したものであった。この理論により太極拳を再編成したのが現在の陳家太極拳なのである。