外伝10孫禄堂の「道芸」研究(3)
外伝10孫禄堂の「道芸」研究(3)
孫禄堂の伝えた形意拳、八卦拳、太極拳は今日では「孫家拳」とも称されることがあるように独特な風格を有している。全体としては動作は小さく柔らかいといえるであろう。思うに孫の考える「道芸」とは柔と静をベースとするもので「洗髄」のレベルにあるものと見なして良いように思われる。この洗髄とは易骨、易筋に続くもので、孫は形意拳の特色を「易骨」、八卦拳を「易筋」そして太極拳を「洗髄」と位置付けていたようでもある。もちろん形意拳にも真伝を得ることができればそのシステムには易骨、易筋、洗髄の三層の全てが含まれていることが分かる。これは八卦拳や太極拳でも同様である。ただ、それぞれの拳でベースとなっているのは形意拳は易骨、八卦拳は易筋、太極拳は洗髄であるということに過ぎない。