外伝10孫禄堂の「道芸」研究(1)

 外伝10孫禄堂の「道芸」研究(1)

孫禄堂は初め形意拳を練習していたが後に八卦拳を学び、更には太極拳を知る機会を得た。こうした経験を踏まえて孫は形意拳、八卦拳、太極拳を共に教えるようになり、その傾向は広く受け入れられ、これら三拳はかつては「内意拳」としてあたかも同じシステムの中にあるかのように扱われることもあった。しかし当然のことであるが形意拳と八卦拳、太極拳はそれぞれシステムを異にする門派である。これを孫がひとつのシステムのようにして教授したのは、いつに「道芸」という視点に発する故であった。孫の練拳のベースとなっている形意拳では長く「武芸」から「道芸」への模索が続けられていた。これが近代になると拳銃などの小火器の発達によって武術界全体に新たな道としての「道芸」への期待が高まることになったのである。


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