第六章 正座と四股と馬歩(18)

 第六章 正座と四股と馬歩(18)

馬歩による中段突きである八極拳の冲捶や八卦拳の挑打は共に踵の使い方を重視している。八極拳ではつま先を先に付いて踵を踏み込む(デン歩 デンは石に展)。つま先を付いた時点では通常の拳術と同じ一歩の間合いを詰めるように見せかけて、踵を踏み込んで更に半歩を寄せるわけである。これをむやみに大きく始めから踏み込むと相手に間合いをどれくらい詰めるかを知らせてしまうので、意味がない。一方、八卦拳では後足の踵を浮かせることで半歩の間合いを稼ぐことになる。これでは体が前に流れるようになるが、あえてそうすることで例え相手が逃げてもそのまま追い詰めることが可能となる。


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