第六章 正座と四股と馬歩(16)
第六章 正座と四股と馬歩(16)
震脚のことは形意拳では「雷声」として語られる。郭雲深は「最近の形意拳では雷声が失われた」と語ったとされるが、これは沈身の教えがうまく伝えられていないことを言わんとしているものである。ただ脚をみ込むのではない、体の沈みによって発生する音のことを「雷音」と称するのである。形意拳は梢節から動くとされるように拳に先導される形で動きが作られていかなければならない。これを踏み込みや継足(跟歩)に気を取られて足が動きを先導してしまうと体が取り残されて全体のまとまり(束身)が失われることになる。