第六章 正座と四股と馬歩(14)

 第六章 正座と四股と馬歩(14)

正座の姿勢に対して四股は馬歩と同様に椅子に坐った姿勢を基としてと見られるが、実際は蹲踞から来たものであろう。蹲踞は中央アジアなどでは今でも休息の姿勢として親しまれている。蹲踞は相撲でも剣術でも見ることができるもので、居合腰とされる姿勢も蹲踞に含まれると解して良かろう。こうして見ると蹲踞は正座よりも古くかたあった姿勢であることが推測される。そうであるなら鍛錬法としての四股もかなり古くからあったものと考えられるのかもしれない。四股は四股踏みというくらいであるから「踏む」ということが強調される鍛錬法であるが、この「踏む」ときにも大きく音を立てて踏むのが良いとされる場合もあるし、静かに下ろすのが良いとする指導者も居るようである。


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