第六章 正座と四股と馬歩(12)

 第六章 正座と四股と馬歩(12)

現在、正座はなかなか大変である。神職や僧職についている人の間では必ずと言って良いほど「正座をどうするか」という話題が持ち上がる。かつてはリラックスできる姿勢であった正座は今日では大変な労苦を強いる姿勢となってしまっているのである。正座は近代に畳の生活が一般化すると共に日本人の生活の中に入り込んで来たのであるが、特に武家ではすぐに立ち上がることのできる姿勢として重んじられるようになる。従来の胡座や立膝のような坐り方ではすぐに動くことはできないが、正座であればそのまま立ち上がることができるし、膝行をして移動することも可能である。岡田式静坐法は一時は大変なブームとなったが岡田自身が急逝したことで人々の関心が薄らいでしまった。


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