第六章 正座と四股と馬歩(8)

 第六章 正座と四股と馬歩(8)

馬歩は中国武術では広く基礎の鍛錬として行われている。これは静かな「四股」とすることもできよう。馬歩は低い姿勢で行うのが一般的であるが近代になって王向斎が高い姿勢で長い時間行うことを考案した。これは日本では「立禅」として知られるようになった。形意拳には混元トウと称する「ただ立つだけ」の功法がある。これは静坐を立って行うようなもので、心の鍛錬としての色彩が強い。こうした練功法をベースとしているために形意拳家の間では「形意拳は一般的な武術である武芸とは異なる。道芸である」とする矜持が生まれることになった。一般に形意拳では馬歩は無いとされるが、実は混元トウを馬歩の変形と考えることは可能である。


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