第五章 合気道奥義・山彦の道(1)
第五章 合気道奥義・山彦の道(1)
合気道の奥義として「山彦の道」や「網代(あじろ)に抜ける」の秘訣がある。「山彦」とは「あ」と声を出せば「あ」と応じる木霊(こだま)をイメージしたもので、相手の心身の働きを断って攻守を逆転させるのではなく、相手の攻撃の働きをそのままに受け取って「転換」させることを前提とする合気道の理合を教えている。そして「道」は「網代」と同じで相手の横に踏み出して斜めから入身をする歩法のことである。網代は網代編みなどもあるように竹や葦を斜めに編むことであり、合気道における「網代」には「斜め」よりの入身の意味がある。