外伝8 形意十二形を練る(12)

 外伝8 形意十二形を練る(12)

「践」には虎(上段)、馬(中段)、タイ(下段)がある。これらは「斜」の歩法と両手を使うことに特徴がある。「践」が「両手」を示すものであることはすでに触れたように「践」の右側が正字では「戈」を二つ重ねる形であることで知ることができる。「斜」の歩法は威力を求めるよりも巧妙さを会得するための技において見られる。虎は引き落とすような動きで瞬時に相手のバランスを奪うものであって、必ずしも両掌で打つことは第一の目的とはしない。同じく馬も拳で引っ掛けるようにしてバランスを奪うと同時に交差法(カウンター)によって攻撃を入れる。馬は派によっては片手で左右と拳を打ち出す「直」の歩法で行うやり方もあるが、これは原則からは外れている。タイは外から巻き込むように相手のバランスを上へと崩す。こうした手の甲を下にした使い方は古い拳法では見ることができ、八卦拳の羅漢拳でも用いられる。このように「践」の原則は相手の攻撃を巻き込み交差法により攻撃をするものとなっている。


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