外伝8 形意十二形を練る(11)

 外伝8 形意十二形を練る(11)

「讃」である力の集中を練るのが鷂(上段)、鶏(中段)、燕(下段)である。ここで興味深いのは十二形における「讃」がすべて鳥のイメージによっている点であろう。中国では鷹爪拳や金鷹拳などかなりの数の拳術が鳥をシンボルとして有している。太極拳にも金鶏独立がある。鷂は形意連環拳では白鶴亮翅とされる動きに近く体を大きく開くことで強い力を発する。鶏は左右と掌を出した後に劈拳の掌打をする。鶏は派によっては斜めの歩法を使い腿法(蹴り)を用いると解釈するが、形意拳における力の集中である「讃」は順の歩法(右手が前なら右足が前となるなど)でなければならない。斜は「裹」で見たように相手の力を避けるための歩法である。燕は「燕子抄水」のイメージである。これは燕が水面をかすめるようにして飛んでいる様子とされる。一般に体を低くした時に後足は後方45度に開けるが、燕では前方45度を保ったままとする。これは次の掌で打つ勢いを確保するためである。同様の歩形は九九(双辺)太極拳の金鶏独立にも見ることができる。


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