外伝8 形意十二形を練る(9)
外伝8 形意十二形を練る(9)
形意拳の十二形拳の具体的な用法を知ろうとするのであれば「三体式」よらなければならない。先ずは「裹」であるが、これは熊鷹(上段)とダ(中段)、蛇(下段)で構成されている。いづれも相手の攻撃を受けた接触点を移動させることでその力を絡め取ろうとする。劈拳の初めの拳を出す動作がこれである。劈拳は拳を押し込んで相手の攻撃力を絡め取ると同時にその姿勢を崩すことを意図している。これが形意拳としては理想的な戦法であるが、相手の力がひじょうに強い時には引いて受けなければならない。こうしたいうならば「裏」の技法が十二形になっている。熊鷹拳の「裹」は「鷹捉」とされるように柔らかに受ける。これはダも同様である。熊鷹の「裹」が上へ接触点をずらすのに対して、ダは横にずらす。一方、蛇は下である。また熊鷹やダでは腕の内側を使うが、蛇は外側を用いている。この蛇の動きも劈拳の拳を出す動きに含まれている。このように熊鷹、ダ、蛇はいずれも劈拳の初めの動作の秘訣である「裹」の奥義を練るものとなっている。