外伝8 形意十二形を練る(6)
外伝8 形意十二形を練る(6)
他に形意拳には連環拳や鶏形四把、雑式捶などの「套路」があるが、これらは形意拳が漢族に学ばれるようになって生まれたものと思われる。おそらく形意拳は回(イスラーム)族の中で生まれたもので、八極拳や譚腿も同様であるが、回族の武術の特色は套路ではなく、比較的簡単なひとつひとつの動きを練ることが中心となるところにあると思われる。譚腿は「套路」のようであるが、実際は単純な動作を繰り返すのみに過ぎない。八極拳は小八極と大八極の套路が中心とされているが、興味深いことに八極拳には「六」と「八」の体系がある。「六」は六肘頭であり六大開である。一方の「八」は金剛八式、八大招などである。おそらくイスラムの時代の八極拳は把子拳と称されており、六肘頭、六大開などがあったのではなかろうか。次いでこれが漢族の間で練習されるようになって八極拳と称され、「套路」である小、大の八極拳が考案された。さらには今度は八極拳なので「八」を基本とする金剛八式や八大招がエッセンスとして考案されたと思われる(金剛八式は少林拳のエッセンスによるともいわれている)。