外伝8 形意十二形を練る(4)
外伝8 形意十二形を練る(4)
例えば「猿」であれば猴形拳では「白猿盗桃」で示される部分のみを学ぶことが重要であると考えている。人と猿や燕、蛇はその形状があまりに異なっている。そうした中において、それら「動物」の動きを単に模倣することはあまり意味がない。また「何故、動物の動きを真似ようとするのか」という問いを持った時に、そこで学ばれるべきは「性」であり「能」であるとの結論に形意拳では至ったのであり、そのためには「形」一般を真似ることは返って不都合な部分のあることも分かって来たのであった。猴形拳で学ぼうとするのは「白猿盗桃」で象徴されるような猿の「性」と「能」なのである。猿の「性」は巧みであることにある。力で相手を制するのではなく、知性によって相手を攻防を制御する、それが猿の「性」とされる。また「能」は軽霊であること、つまり速い動きをするところにある。そうであるから猴形拳では、自在に角度を変えることと、跳躍をして間合いを自在に使うことで猿の持つ「性」と「能」を体得しようとすたのであった。