外伝8 形意十二形を練る(3)

 外伝8 形意十二形を練る(3)


さて形意拳であるが、形意拳の十二形拳は「象形拳」に属するとはいっても、よく「動きが似ていない」と指摘される。多くの猴拳では、あたかも猿の動きをそのまま真似たようなシステムを有しているが、形意拳の猴形拳は跳躍しながら掌を右、左と出すだけで、ひと目でこれが「猿」の動きであると見るのは難しいかもしれない。もちろん予め「猴形拳である」と知らされていれば「なるほど猿的なところがある」と納得されはするであろう。形意十二

形拳が動物の動きを模倣することを主眼としていないのは、ただ動物の動き一般を真似るのではなくその「性」と「能」を取り入れるという原則があるためであって、その「形」は重視するところではないことが原因といえよう。多くの象形拳は動物の「形」を模倣することでその「性」や「能」を体得できると考えたのであるが、形意拳では人と動物は体の形も意識の状態も違うのでただ「形」を模倣しただけでは「性」や「能」を体得することはできないと教えている。


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