第九十三話 簡易と簡化の太極拳(10)

第九十三話 簡易と簡化の太極拳(10)

剛柔は陽陰であり、これにより八卦としても展開される。もちろん八卦も摩(こ)すれあう関係にあるのであるが、これを八卦では「盪」と表現している。「盪」は湯で皿を洗うということであって、これは摩するということでもある。太極拳でいうなら「八卦」はいろいろな動作ということになる。陰陽が展開していろいろな動作になる。起式は上下で陽と陰、それに左右の動きが加わり四象となり(左ホウ、右ホウ)、前後が組み合わされ(セイ、按)て八卦となる(上下×左右×前後 2×2×2で8通りの展開が得られる)。ラン雀尾が太極拳の総手と称されるのは陰陽から八卦への展開がここに示されているからに他ならない。またこれらの動きはどれも密接な関係にあり、途切れることはない。そうであるから太極拳には「綿綿不断」の拳訣がある。

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