第九十四話 龍形八卦掌における投げ技への展開(14)
第九十四話 龍形八卦掌における投げ技への展開(14)
形意拳の扣歩は八卦掌から取り入れられたものとされ、五行拳などでも見られるがそれは套路の方向を変えるだけのもののように考えられているが、実際はそうではない。劈拳なら劈拳を打った時にそれを受けられたら、更にそのまま打ち込む(硬打硬進)が形意拳の戦法であるのであるが、ただ押し込もうとしてもてきるものではない。そのために相手の前足を引っ掛けてバランスを崩すことで更なる打ち込みの機会を得ようとする。こうした時に扣歩が使われる。こうした「用法」が如実に示されているのが「龍形」の換掌となる。