第九十四話 龍形八卦掌における投げ技への展開(4)
第九十四話 龍形八卦掌における投げ技への展開(4)
八卦拳では基礎的な心身の力を養う八卦「掌」のシステムと、攻防の力を養う八卦「拳」のシステムによって構成されている。興味深いことに高義盛派では同様のシステムを先天と後天に体系を分けて構築している。八卦「掌」の系統につながる基本的な功を養うシステムは先天として、八卦「拳」の系統のように力の出し方、打法を練るものは後天としてシステムを組み立てたのである。もちろん高派には羅漢拳そのものは伝わっていないので、高義盛の習得していた少林拳などが「後天」には取り入れられた。こうして見ると高派の八卦掌は八卦拳本来のシステムを踏襲する優れた体系ということができよう。