第九十四話 龍形八卦掌における投げ技への展開(1)
第九十四話 龍形八卦掌における投げ技への展開(1)
現在、いろいろな演武を見ると八卦掌を「投げ技」のシステムとしてとらえる傾向が顕著であるように思われる。とりわけ「龍形八卦掌」では換掌の時に片足を上げる動作を示しており、これは足を掛けての投げ技と自然に解することができる。ただこうした動作は他の八卦掌では見ることはできない。それだけ「龍形八卦掌」では換掌において「投げ技」が意識されているということであろう。ただ本来の八卦拳では特に「投げ技」が強調されることはないので、八卦掌=投げ技という理解は八卦拳には存していなかったものである(ここでは陳ハン嶺の伝えたものを「龍形八卦掌」と表記し、形意門で伝わる龍形八卦掌には「」を付さないこととする)。