第九十三話 簡易と簡化の太極拳(14)

第九十三話 簡易と簡化の太極拳(14)

また「繋辞伝」には「簡易」について次のようにも説明している。

「易なれば知りやすく、簡なれば従いやすし。知りやすければ親あり、従いやすければ功あり」

ここでは「易」であれば理解しやすいとする。当然であろう。また「簡」であれば信頼をして任せやすいとしている。確かに簡易式を練習する人は多くが簡易式のみを台湾では練習していた。これは一種の「納得」が得られるためのようであった。いろいろと他の武術や太極拳を習っても結局は簡易式にもどってしまうようなのである。文章であれば推敲に推敲を重ねて結局は最初の形に戻ってしまうような感じなのかもしれない。つまり簡易式以上に「足すことも引くこともできない」と思うに至るようなのである。それはここにある種の「悟り」を実感するということなのであろう。

このブログの人気の投稿

道徳武芸研究 「合気」の実戦的展開について〜その矛盾と止揚〜(3)

道徳武芸研究 両儀之術と八卦腿〜劉雲樵の「八卦拳」理解〜(2)

道徳武芸研究 八卦拳から合気道を考える〜単双換掌と表裏〜(4)