第九十三話 簡易と簡化の太極拳(2)
第九十三話 簡易と簡化の太極拳(2)
また楊名時のプロフィールには「楊家の太極拳の正統な継承者」といった類の紹介がなされてあたかも楊家太極拳との関係性を思わせるような書き方がされていることも、ますます師承の系統についての混乱を助長させているようにも思われる。こうした経緯もあってか楊名時は次第に「楊名時太極拳」として独自路線への傾向を見せるようになる。楊名時が本を師として太極拳を学んだのか、大陸の師に就いていたのかはわからないが、その動きは太極拳の本来のものとは異なっている。