道徳武芸研究 游身八卦連環掌と鎮魂法(3)
道徳武芸研究 游身八卦連環掌と鎮魂法(3)
八卦掌の游身とは何かというなら、それは「揺身」に他ならない。通臂拳ではこれを重視していて張志通は「揺身」と「揺神」のあることを明らかにしている。張志通が考案して、かつて台灣全土で大流行した外丹功は主として「揺身」をベースとし編まれたものである。一方、秘伝とされた内丹功は「揺神」を主としていた。ただ外丹功でも予備式は比較的「揺神」に近いものがある。通臂拳では自在の動きを得るには肉体を開く「揺身」と、精神を開く「揺神」が必要であるとしている。もっとも外丹功は、通臂拳の「揺身」功を一般的な健身法として(いうなれば薄められた形に)編成し直しているので、それを練ることで、そのまま通臂拳の功を身につけることはできないとされている。「揺身」とは身体が開かれる、ということであり通臂拳では腕を振ることでそれを得ようとする。一方、八卦拳ではネジリを加えることで関節を開いて「揺身」を実現するのである。