道徳武芸研究 変容する太極拳〜無為自然〜(1)

 道徳武芸研究 変容する太極拳〜無為自然〜(1)

常東昇は中国相撲の名手であった。また衛笑堂は蟷螂拳の名人であった。この二人に共通するのは太極拳をも長く修練をして、後に常式と衛式と称される太極拳を残したことである。また教門長拳の韓慶堂も中央国術館で楊澄甫から太極拳を学んでおり、弟子に教えている。一方、楊澄甫は韓慶堂から教門長拳を教えてもらい、その成果を太極長拳に中に取り入れたとされる。更には八卦拳の何静寒老師は熊養和から太極拳の教えを受けて八卦拳を指導すると共に太極拳をも教えておられる。他に例をあげれば枚挙のない程であるが、太極拳は実に広く門派を越えて親しまれている。またこうした老師たちは、自分が本門とする拳の他に太極拳を練習していて、結果として長い間に太極拳の中に自ずから本門の拳の風格が入り込んで独特の味わいを醸し出している。


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