外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(15)
外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(15)
鄭曼青は太極拳を古代の神聖舞踏から発達したものと考えていた(「自修新法」)。それは天と地の姿をそのままに現すものでなければならなかった。またそれは太極拳の古代より伝わる秘伝の根本でもあった。ある意味で簡易式は中国全土に広まりつつあった太極拳の「奥義」を将来に伝えるために編まれたものと考えることもできるのではなかろうか。またこの「奥義」は呂殿臣にも伝えられた。この露禅架とされる套路と簡易式は意外にも共通点が少なくない。露禅架や呉家との共通性を考えると「方」の拳はまさに張三豊の太極拳の根幹であったと思われるのである。