外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(1)
外伝9鄭曼青の学んだ「奥義」〜方拳と円拳〜(1)
鄭曼青は師である楊澄甫から特別の「奥義」を学んだとされている。そのきっかけとなったのが楊夫人の病気を治したことであるという。楊夫人は卵が好きらしく、戦争中には子どもたちは苦労して卵を求めたとも伝わる。かつては卵は貴重品で、日本でも病気になると鶏を飼っている農家から卵を分けてもらって来て食べさせたという話が近代の小説などにはよく出てくる。それはともかく鄭曼青が特に澄甫から「奥義」を学んだとされるその「奥義」とは如何なるものであったのか。それを知る手がかりとなるのは鄭曼青が編んだ簡易式(鄭子太極拳)の歩法にあったのである。