外伝4「起落翻攅」と形意五行拳(6)
外伝4「起落翻攅」と形意五行拳(6)
「起落」と劈拳との関係は呼吸にある。つまり形意拳の古い形は呼吸を練ることを主眼としていたと考えられる。「起」で胸を開く形となり、「落」で胸を合わせる形となる。こうして呼吸を練るわけである。「起落」をベースとする鍛錬では跟歩を用いないで行う。また特に五行「掌」をしてこれを練ることもある。こうした開合の練法は八卦掌の縮伸とも共通している。そうであるから五行掌を通して八卦掌へと展開をさせることが可能となる。形意拳と源流を同じくするとされる心意六合拳などは起落をベースとするものと解することができるので、これも「起落」が形意拳の古い時代の形を伝える拳訣であるとすることの証左となるかもしれない。