外伝5蟷螂拳と蟷螂捕蝉式(4)

 外伝5蟷螂拳と蟷螂捕蝉式(4)

「鷹爪手」のような方法は固く掴むことで相手を大きく制御することのできる反面、返し技を受ける可能性も高くなる。一方「蟷螂手」のような緩やかに制するものであれば返し技をしようとすると腕が外れてしまうので安全である。「鷹爪手」の系統は武術として鷹爪拳などが存しているが、八極拳なども本来はこうした手法を使っていたうようである。八極拳の動きは肘法に代表されるように比較的近い間合いでの攻防を行う。そのため相手を掴んでからの攻撃が基本と考えられる。現在、八極拳では「鷹爪手=把子手(拳)」が使われることはないが、それと劈掛掌が共に練習されるようになったこととは関係があるのではないかと思っている。つまり八極拳において劈掛掌とは失われた「把子手」の回復にあったのではないかと考えるのである。

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