道竅談 李涵虚(135)第十六章 先天とは何か

 道竅談 李涵虚(135)第十六章 先天とは何か

西派では神、気、精の中で気を最も重要なものとする。それは気、つまり感情が行動の根源となっているからである。多くの人は理性(神)によって自分は動いていると考えているかもしれないが、大体において理性をベースとする行動はそれほどの力強さを有していはいない。また理性では好ましくないと思っていても行動してしまうのが人間である。このために神は気によって動かされると考えるので、気の働きが重んじられているのである。多くの社会的な情熱をもって行われた行動(戦争などが典型)は、後に考えればなんと愚かな行動をしたのかと思われるが、その渦中にあった人はそれが「正しい道」と思っていたわけである。こうした時代性を超える思考を得ることを神仙道は目指している。そのために先天の世界を構築して後天のこの世界を絶対的なものとしないようにしているのである。

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