第九十四話 龍形八卦掌における投げ技への展開(7)
第九十四話 龍形八卦掌における投げ技への展開(7)
形意拳は五行拳でも十二形拳でも単発の動きを基本としている。しかし、形意拳における連環性への希求は深いものがあり、初めに連環拳が作られた。ここで求められたのは「入身」である。太極拳の五歩(中定、前進、後退、右転、左転)は入身の歩法である。「中定」はバランスよく立つことのできる状態で、これがなければ前後左右に円滑に動く入身はできない。黄柏年もわざわざ「四病」として右、左、前、後に体が偏ることを戒めている(これは適切なバランスを保つということで必ずしも真っ直ぐに立つことを求めるものではない)。