道徳武芸研究 沖田総司の三段突きと「八寸の延金」(3)

 道徳武芸研究 沖田総司の三段突きと「八寸の延金」(3)

少林寺の棍術が有名であったのは、それが槍術の技法を含んでいたためといわれている。よく少林寺の映画などで棒の先で30センチくらいの円を描いてひたすら回す訓練をする様子が見られることがあるが、これは槍術の「圏」という技を鍛錬しているのである。これにより相手の槍を絡め取って中心ラインから外して突くことができるようになる。この絡める技法を棍に応用したところに少林寺の棍の優位性があったわけである。一方で槍術にも棍術の技法が取り入れられたとされる。このように異なる技術を取り入れることで技術の革新が可能となる。私見によれば沖田総司の三段突きも小笠原玄心斎の八寸の延金も共に槍(矛)術を取り入れたものではないかと思っている。ちなみに八寸の延金は矛の術の応用であるとされているが、槍と矛の違いは先の刃にある。槍は小さくただ突くことに特化しているが、矛は幅広で薙いで切ることもできる。それはともかく、これらに共通していて剣術にはない技術としては独特の継足がある。


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