道徳武芸研究 沖田総司の三段突きと「八寸の延金」(1)
道徳武芸研究 沖田総司の三段突きと「八寸の延金」(1)
沖田総司の有名な技に三段突きがある。これは沖田の修行した天然理心流にある技ではなく、沖田の得意技がそういわれているだけであることもあり、現在は三段突きがどのようなものであったのかは明らかではない。突きであることは判明しているものの「三段」が三箇所所を素早く突くことを意味しているのか、あるいは三回の突きが連続して行われたのかも判然とはしていない。一方の「八寸の延金」は沖田から300年くらい前の剣術家である小笠原玄心斎が使ったものであるが、これも実態は明らかではない。ただ大陸から帰って「八寸の延金」なる技を会得して無敵であったとされている。一説には矛の技の技術を応用したものとされているので、あるいはこれも突き技のひとつであったのではないかと考えられる。日本で矛が使われたのは弥生時代あたりで、それ以降は舞楽や神道儀礼の飾りとしてはあったが武器として使用されることはなかったようである。